営巣地は雪に覆われ

夏のあいだ山蝉たちは夜が開ける頃に鳴き交わして尻別川に飛び立っていった。
暫く、声を聞かなかったが、山蝉が鳴いている。こちらは布団の中で、ああ元気にしていると
思いながら、また寝てしまった。

営巣地近くまで行ってみることにする。
急な斜面だが雪に覆われていた。










野鳥の会の方の話では、営巣期以外は鳥は家を持ちませんと言うことだった。

北海道では暖房用に、火力の強いストーブを使うため、住宅には集合煙突が付いていることが多い。
各部屋のストーブの煙突から集合煙突を通して排煙される。
小鳥たちも集合煙突の側で暖をとる事があり、たまには、落ちてしまう鳥もある。
すごいのは、落ちた鳥が部屋の煙突を歩くのである。がさごそ、がさごそ音がすると、あ!と言う訳である。
集合煙突の一番下は掃除用の吐き出し口になっている。家中の窓や出口を開けて、この掃除用の吐き出し口を開ける。
煙突を歩いていた鳥が風を感じ、ここから、舞い上がる。そっと、じっと人間がしていると、風を読んで外に出る。
つぐみとこのあいだは雀だった。

火力の強いストーブを使うためのもう一つの工夫が換気口である。その家によって天井近くの空気の取り入れ口の微妙な
調節があるだろうと思う。我が家の居間の換気口は雀の営巣地になっていて、春から夏までにぎやかこの上ない。
雛の声を聞いていると、そろそろ巣立ちかなと。冬になって荒れ模様の日が続いた日にまた、雀たちがやってきた。
もしかして、こんな家をたくさん持っているのではないかと。我が家の換気口は半分ほど、巣材で覆われている。濡れた
身体を乾かすには、暖気といい丁度なのではないだろうか?