10/12熱田神宮

”おくの細道”の終わりは熱田神宮であったと思ってきた。数年前ユーノスで新潟から、糸魚川を抜け、姫川沿いから甲州街道、東京、
鎌倉、箱根、霧ヶ峰、三島、名古屋、舞鶴、小樽の一人旅をしたことがあった。思いのままにゆく旅の楽しさをこの時に知った。
姫川もいい。尖石遺跡もよかったし、甲州街道も風情がある。いけどもいけどもたどり着かない霧ヶ峰も可笑しかった。
さして地図も見ない道路標識をたよりにゆく旅だったから、名古屋に入り、熱田神宮に遭遇した時は感激であった。


大垣での句が終いになっているが、今紐解いてみると、*西行の「山家集」に拠っている。


  蛤の ふたみに わかれ*行くあきぞ   芭蕉


二十歳の頃のテキスト「芭蕉紀行集」志田延義 金子義夫編 には、
折からの晩秋に、寂びしさが身にしみる。旅から旅へと生涯を送ろうとする心構え-との伊藤博之先生の注があった。



注*「山家集」「今ぞ知る二見の浦の蛤を貝合はせとておほふなりけり」
 * 行くはわかれ行くと行く秋(季語で晩秋)とをきかせる。